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【お知らせ】タカダミユキ個展「勝手に孤独なマテリアル」/【レポート】個展「ともだち」

2024.04.28

【レポート】タカダミユキ個展「ともだち」

 

「ともだち」

Nowhere Hajinosatoでは、2023年5月3日から28日までタカダミユキさんの個展「ともだち」が開催されました。タカダさんが好きなものをフランクに画面におさめたので、個展のタイトルは「ともだち」になりました。人と動物が一緒に描かれた作品も多く、その意味でも「ともだち」なのだそうです。ただタカダさんご自身は犬や猫を愛玩動物として好きなわけではなく、あくまでも絵画の素材としてそのフォルムに惹かれていて、モチーフとして犬や猫を描いているということでした。確かにタカダさんの描く動物たちは、愛くるしくこちらを見つめているわけではなく、簡単に尻尾は振らないよとクールな表情をしているのが印象的でした。

 

「ナンバリングの謎」

タカダさんの絵画には度々、スタンプで押されたナンバリングが登場します。なぜナンバリングを入れているのかについて伺いました。ペンで描いたのっぺりしたモノトーンの画面に、かすれた赤のスタンプでナンバリングを入れることでリズムが生まれると、答えてくださったタカダさん。ナンバリング以外にも、洋書の1ページを切り取ったような画面があったり、赤ペンで数学の式が書いてあったり、チケットのようなものが貼られていたりと、それらはすべて意図的なのか、恣意的なのか。とにかく画面構成が面白いのです。

 

「画面にリズムを」

絵を描くときには、画面の中で密な部分とスカスカな部分を作る。画面を見たときに目線が固定されず、目線が動く絵を良しとしている。動物や人を描くことに意識を持っているのではなく、画面のバランスに細心の注意をはらっているなど、作品を制作する上で大切にしていることを話してくださいました。たまに描き込み過ぎて、失敗した…一歩手前でやめておけば…と思うこともあるそうですが。

 

「幼い頃から惹かれていたのは」

ピカソやフリー・ダカーロ、哲学者のようなおじさんたちが登場し、随所に西洋の雰囲気を感じさせるタカダさんの作品。そのわけをお尋ねすると、幼い頃から惹かれたのはドイツの作家の絵本でインパクトのある絵やストーリーに魅力を感じ、すごく悪い人が出てきたり、追いかけられたりと、過激なところに惹かれていたのだとか。また、西洋における文字を美しく見せる手法であるカリグラフィーのエッヂの効いた線もお好きだそうです。この癖のあるキャラクターたちが気に入った方も多かったです。

 

「道具が描きたい絵を連れてくる」

今回の展示では、ドローイング、版画、粘土など様々なアプローチでNowhereを埋め尽くしてくれました以前、タカダさんは小説を書くことに真摯に取り組まれていました。そのときに「文体が言いたいことを連れてくる」と感じ、アートに転向されてからも「道具が描きたい絵を連れてくる」と考え、制作に向き合われています。道具との関わりについても、ペン画、パステル画、版画、立体作品を円を描くように移行していくことで、新鮮味を持ち続けながら制作できている。画材と描きたいモチーフがピタッとはまれば、自分の才能ではなく良いものができるとさえ考えています。これから先も作品制作を続けて、80代になったら抽象画を描きたいという目標もお持ちです。

最後に、タカダさんの地元である南河内に位置するNowhereでの展示を終えて、知り合いだけでなく、ご近所に住んでいる方が作品を見に来てくださり、作品を手元に置きたいと選んでくださったことが嬉しかったと話してくれました。会期の最終日には、レンタサイクルで道明寺天満宮手づくりの市や柏原を訪れ、街に関心を持ち楽しんでくださったご様子でした。

【お知らせ】タカダミユキ個展 「勝手に孤独なマテリアル」

Nowhere Hajinosatoが立ち上げたアーティストとのコラボレーションやデザインワークを行うvacances(バカンス)が企画するタカダミユキ個展「勝手に孤独なマテリアル」を開催いたします。

昨年開催された前回の展示では、ドローイング、版画、粘土など様々なアプローチでNowhereを埋め尽くしてくれましたが、今回は彼女の作品の中でも特にリズムのある野菜と人物の絵を中心に新作が並びます。元々は小説を書いていた彼女の作品は、物語のように人々に語りかけます。

Nowhere Hajinosatoはものづくりのはじまりの地、土師ノ里の古墳にかこまれた場所に2020年誕生しました。1階がカフェ、2階がコワーキングスペースというユニークな長屋です。藤井寺市の中でも昭和の懐かしさが残るとともに、遠い古墳時代に想いを馳せることのできる土師ノ里という町に関心に寄せ、街を巡って楽しむ周遊型イベントや、HAJINOSATO ZINEづくり、古墳を巡る活動などを行ってきました。この企画を通して、彼女の地元でもある南大阪へ皆さんが訪れるるきっかけになればと願っています。

是非、この機会にご高覧くださいませ。

タカダミユキ個展「勝手に孤独なマテリアル」

[日時]
2024年5月1日(水)〜5月26日(火)
10:00-20:00
月・火定休日

[会場]
Nowhere Hajinosato
ノーウェアハジノサト
大阪府藤井寺市国府1丁目1-7 里庭の箱
近鉄南大阪線「土師ノ里」駅徒歩1分
https://www.instagram.com/nowherehajinosato/

タカダミユキ Instagram
https://www.instagram.com/la.la.la.miyuki/

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