Nowhere Hajinosatoにて、MMMADE(エムメイド)による展示会「まっくろデパートメント」が2020年9月1日~30日の一ヶ月間にわたり開催されました。 展示会はおとなもこどももかぶることができる帽子や、かばん、洋服などが「黒」をテーマに勢揃い。Nowhere Hajinosatoも展示に合わせてまっくろになりました。 それでは、MMMMADEの辻岡さんに、今回の展示会を振り返って話を聞いてみましょう。
うっちー(以下、う):Nowhere Hajinosatoでの展示会は、感触どうでしたか?
辻岡さん(以下、辻):
実は最初そんなに来てもらえないかな〜なんて思ってたんですよね。街でウチの商品を身につけている人に出会うことってほとんどないので。
だけど予想外に皆さん来てくれたので、ちょっとびっくり。
う:
この辺り(藤井寺)周辺の方が主に来られたんですか?
辻:
割といろいろな所からかな?それこそ枚方や奈良からもお越しくださっていました。
うーん、でも場所で括られるというよりは、「人」からつながっている感じがしました。
Nowhereのさちこさん&てつやさんに縁ある方々も来てくださったし、僕のつながりからの方も来てくれたし。
みなさんカフェでごはん食べて、おやつ食べて、ついでにMMMMADEの商品買って、帰る、みたいな自然な流れでみなさん思い思いに過ごされていたように思います。
う:
場所に関係なく、3人のつながりから来た方々で盛況になったんですね。
う:
ところで、今回の展示会が始まったきっかけって何だったんでしょう?
辻:
はじまりは、Nowhereのカフェ担当のさちこさん(pet de nonne) と柏原の「をかしわらマルシェ 」でお会いしたところからなんですよねー。
そこで立ち話した印象と、そのとき食べた“酒粕のチョコレート”がめっちゃ美味しかったのとで、「うん、この人がやるカフェだったら絶対大丈夫。」って即、信用しました。
う:
おぉ〜!めっちゃ直感で決定されたんですね。
辻:
やー、僕の直感って結構当たるんですよ、これがまた(笑)
もちろん、後日きちんと自己紹介を兼ねて打合せをしたんですが、違和感なく進んでいきました。
う:
今回「黒」で統一されていましたが、このテーマにしたのはなぜでしょう?
辻:
6年前くらいから帽子をメインに作り出したんですが、作っていく中で「これがMMMMADEの帽子だ」みたいな、基礎型が3つできたんですね。
それを今回はきちんと示したかったので、シンプルかつシルエットを見せられる黒色を選んだというのがあります。
う:
黒にすることで余計な事を考えさせない感じですね。普段は黒以外の色でも作品を作られるのですか?
辻:
はい、逆に僕、黒はニガテでした。強すぎるし、拒絶の色だし、人にやさしくない色なので。
僕の作り方って、計画的に進めるよりも、作る過程で「面白そうだな!」と思ったものをどんどん取り入れていくやり方なんです。僕の作品を気に入ってくださっているお客さんのお声も、共感できるものはすぐ反映してみたり。
だけど、いざ展示会をしてみると、お客さんがどれを選んでいいか分からず混乱してる場面に次々と遭遇するんですよね。
だから今回は、いっそのこと「黒」という軸で見せることで、3つの基礎型をわかりやすくしたかったんです。
ラーメン屋のがんこ親父じゃないけど「もう、この黒い帽子いっこ持っておけ」みたいな。
う:
ある意味、辻岡さんにとっては挑戦になるんですね。
辻:
そうですね。“スタンダード(定番モノ)”って逃げ場がなくなるから作りたくなくて、どんなスタイルにでも変えられるようにしておきたかったんですけど、やっと、こう、地盤ができた!みたいな感覚でいます。
う:
おぉ〜、そしたら今回の展示はターニングポイントになりますね!
辻:
はい、MMMMADEのリセットです、今回の展示は。リセットであり、スタートでもある。そう思うと、Nowhereは「Now here」なので…うん、ここで展示会できたことはやっぱりすごく良かったなって思います。
・・・いや、だから僕ってホラ、勘がね、なんか当たるんですよね(笑)
う:
おおおおおお、鳥肌!
う:
リセットして、スタートとなった今、次はどうしましょう?
辻:
うーん。どうしよ・・・。
う:
えーと。どうしよ・・・。
両者:
はははは(笑)
辻:
今は考えてないですね〜。だけど今回のように食べ物と絡めるの楽しいかも。今回すごく楽しかったんです。僕からは「黒い焼き菓子焼いてもらえますか?」と軽くお願いしただけだったんですが、さちこさんはコンセプトを掘り下げたうえで、焼き菓子や生菓子をご用意くださったんです。すごく協力してくださったのは嬉しかったです。
う:
通常だと一緒にがっつりと連動することはないのですか?
辻:
そうですね。場所によっては、その場所の地が固まっていて雰囲気ができあがっているので、どちらかというと参加させていただいている、という感覚が強いのですが、Nowhereさんとは“コラボレーション”って感じでした。
ただでさえ忙しい方なのに、僕の分の仕事まで増やしちゃったわけだけど、あらゆるものにちゃんと対応くださって、ありがたさ100%です、本当。
う:
聞けば聞くほど、お互いのタイミングが一致している感じしますね。次もこの場所でやってみたいと思うことは何かありますか?
辻:次の企画としては「白」と「青」があるんです。させてもらえたらいいなぁとは思いますが、今と同じ内容で色を変えるだけでは面白くないので、今度は別のものと絡めるのも面白いかなぁと考えています。
わっくん(Wack)っていう空をテーマに絵を描いている方がいるので、わっくんの絵とMMMMADEでコラボレーションをするのもアリかなぁなんて。
僕は綯い交ぜ的なことが好きなので、アートと実用品と食べ物とコワーキング…と、どんどん混じり合って新しいことを追い求めていくんじゃないかなと思います。
【話したひと】
MMMMADE(エムエムエムメイド)
Designer/Creator : Masaharu Tsujioka
大阪の服飾専門学校を卒業後、アパレル中間業、繊維の検査機関、製品加工職など、糸へんの仕事を転々とする。
新作や展示会などは、公式サイトで更新中。