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ハラチグサ個展「うるさいひばり、春のバカンス!」

2023.06.20

◾︎ハラチグサ個展「うるさいひばり、春のバカンス!」

バカンス企画
藤井寺市の土師ノ里でNowhere Hajinosatoを運営するワンダーラスト合同会社は、アーティストとのコラボレーションやデザインワークを行うチームとして新たに「vacances(バカンス)」を立ち上げました。その企画の第一弾として、vacances企画 ハラチグサ個展「うるさいひばり、春のバカンス」を開催しました。ハラチグサさんは抽象絵画、イラスト風絵画、ユーモラスな立体作品を変幻自在に制作しています。はじめてのNowhereでの展示ということで、うるさいくらい沢山の作品を持っていきます!という言葉通り、Nowhereの至るところに作品が展示されました。

◾︎「ものをつくることのこと」
「ハラさんの作品は見ててしんどくないですね」というNowhere店主の感想に対して、ハラさんは「空間の中にものがある、ただものがある」という存在感、それを人が認識するということと向き合い、作品を制作していると話してくれました。また、キャンバスの周りも意識し、飾ったときに不自然でないものを心掛けていると。誰しも生きていたら思うことがあり、ハラさんの場合はそれが絵に出しやすかったそうですが、「ものをつくることのこと」を考えることのほうが好きで、描かないで思っているだけで幸せだと感じることもあるのだとか。

Nowhereの2階奥にあるギャラリーバカンスは「昔部屋」と名付けられ、2009〜2023年の作品を公開アトリエのように展示しました。来場者は作品を自由に手に取ることができ、気に入った作品を購入することができました。昔部屋に入ると、30分くらい帰ってこない方が続出したことも面白い現象でした。

ハラさんは2007年から神戸にあるC.A.P.(芸術と計画会議)にある公開アトリエをよく訪れていました。もともと他人の家や部屋を見ることが好きで、「ものをつくることのこと」を思いついたのもC.A.P.でアーティストがものを作っている現場であるアトリエを覗いたことがきっかけでした。こぢんまりとした空間であるギャラリーバカンスはアトリエ風の展示に打ってつけで、長年温めていた展示ができて嬉しかったと語ってくれました。

◾︎神戸から葛川地区へ

2018年から滋賀県大津市の山間部にある葛川地区に移住し、自らの手で改装した古民家で暮らしています。移住してからの変化について尋ねると、村での暮らしを楽しんでいるものの、絵を描く上では試行錯誤しているという意外な答えが返ってきました。神戸では街を歩くだけで色々なものが目に入り勝手にインプットされ、ギャラリーに寄れば、他の作家と自分の作品を比較でき、好き嫌いが認識しやすかった。その逆で、村では何でも好きという環境の中で創作意欲が湧かないこともあるそうですが、古いものに触れられる良さがあり、空き家掃除で出てきた古い額から着想して、絵を描くなどいままでとは違ったプロセスの作品が生まれています。

チーム路地裏
2015年頃にハラさんは高校の同級生のおーちゃんとチーム路地裏を結成し、下町の路地を歩くようになりました。会期中には、チーム路地裏のメンバーと巡る土師ノ里の街歩きを開催しました。団地のデザインや年期の入った室外機、路面表示など、生活しているとつい見逃してしまいそうな懐かしいものたちにチーム路地裏メンバーは着目し、終始笑いの絶えない会話を繰り広げてくださり、土師ノ里を再発見するような体験となりました。チーム路地裏のメンバーは踵印製作所として、神戸の長田区を中心にイベントを開催されています。

◾︎ハラチグサと土師ノ里

ハラさんの目にも土師ノ里に数多くある古墳のもりもりとした緑は異様に感じられ、もし宇宙人が攻めてきたら、古墳がムクッと起き上がり、宇宙人と戦うイメージまで浮かんできたそうです。またいつの日か古墳vs宇宙人の作品が生まれるかもしれません。

ハラチグサ

1984年 神戸市垂水区生まれ
2006年 神戸山手短期大学表現芸術学科・専攻科 油彩卒業
2006-2015年 神戸山手短期大学表現芸術学科 学科付事務員
2018年 滋賀県の山へ移住

「ものをつくることのことのこと」をテーマに制作活動。
2010年より関西を中心に年に数回ずつ個展を開催。
展示空間や環境に合わせて絵画、立体、映像などで具象抽象を問わずイメージを作成。

近年、大阪では天野画廊、東京 新宿眼科画廊、京都 ワインショップ仔鹿、神戸
ヘアサロンchit-chat などで個展を開催。
その他関西を中心にグループ展に参加。

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